用語集

乳がんに関する用語を分かりやすく解説します。

細胞診

よく使われるのが穿刺吸引細胞診といい、超音波下で細い針をシコリに刺して細胞を吸い取り顕微鏡で悪性の細胞がないかを調べる検査です。

針が細いので麻酔せずに外来で可能です。

組織生検(針生検、吸引式組織生検等)

細胞診より太い針を使ってさらに広い範囲の組織を採取します。

そのため局所麻酔をして行います。

細胞診より精度が高く、良性・悪性だけでなくシコリの組織分類上の種類や乳がんの場合はその癌がホルモン治療に効果があるのかないのかまで(ホルモン感受性の有無)判明します。

センチネルリンパ節

乳がんで手術する場合、乳がんの腫瘍を切除すると同時に転移し易い腋窩(わき)のリンパ節をどの範囲まで採るか(郭清)が問題となります。

それを判断するため脇のリンパ節で一番腫瘍に近い位置にあるリンパ節を1個試験的に採り、すぐに病理検査を行ってもし転移があればリンパ節を郭清する範囲を広げて手術を拡大します。

逆に転移が認められなかった場合は、その時点でリンパ節をそれ以上採らずに手術を終わります。 このため、試験的に採ったリンパ節は見張りの役目を担うのでセンチネルリンパ節と呼んでいます。 この手技が導入された結果、過大な侵襲の手術が減少し、手術による後遺症が減り患者さんの負担が著しく改善されています。

ステージ分類

乳がんは病状の進行度によって4段階のステージ(病期)に分かれます。
早期癌はステージI(病期 I)に当たります。 ステージが増えるにつれて病状が悪いことになります。

TNM 分類(病期分類)乳がんステージ分類

カテゴリー分類

マンモグラフィや超音波検査の際、癌の疑いの程度によって評価する分類です。

カテゴリー1と2は良性の評価診断です。 
カテゴリー3はおそらく良性であると思われるが一部癌の可能性が否定できない所謂グレイゾーンです。
カテゴリー4は乳がんの可能性が高く、カテゴリー5は乳がんの可能性がほぼ間違いないという評価になります。

乳房切除(乳房全摘)

乳がんの手術で病巣が広がっていたり、複数の病巣が離れていた場合などに行うものでいわゆる全摘術です。以前は胸の筋肉も一緒に切除していましたが、現在は、胸筋は残す場合が殆どです。

乳癌の手術法
乳癌の手術法

乳房温存術(部分切除)

乳房全摘とは反対の腫瘍の周辺を含めて切除する部分切除です。 腫瘍の大きさと位置によって扇状と円形に腫瘍と周囲約1cmから1.5cm離して刳り抜くように取り出します。

乳腺症と乳腺炎

言葉は似ていますが全く違う病名です。

乳腺炎とは授乳中によくあることで乳汁うっ帯による炎症で細菌が感染すると赤く腫れ上がり、強い痛みを伴い進行すれば膿瘍(ウミ)が溜まって抗生物質や切開手術が必要となるものです。 

逆に乳腺症は炎症ではありません。卵巣ホルモン分泌のアンバランスにより乳腺組織が増殖したり、退縮することで部分的に硬くなり、その結果シコリとして触れたり、嚢疱を作ったり、石灰化の原因になったりする複雑な病変です。どちらも良性疾患で悪性ではありませんが、乳腺症の一部に将来乳がんのリスクになるものが存在します。

腫瘤(シコリ)と腫瘍

腫瘤には次のものが含まれます。

炎症性のシコリ、膿瘍(ウミの溜まり)、嚢疱そして腫瘍は全て触診の段階では腫瘤として読んでも構いません。

  • 腫瘍の中に良性腫瘍悪性腫瘍があります。
  • 乳腺の線維腺腫や乳腺症のシコリは良性腫瘍の代表です。
  • 悪性腫瘍の中に肉腫、リンパ腫、白血病そしていわゆる癌(癌腫)が含まれる。
  • 癌腫の中に胃癌、食道癌、大腸癌、肺癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、子宮癌、卵巣癌そして乳癌などが含まれる。
  • 癌が最初に発生する場所は皮膚、粘膜、分泌腺に限られる。
  • 筋肉や骨、心臓、血管等には癌は発生しない。

腫瘤と腫瘍の違い
腫瘤と腫瘍の違い

浸潤癌と非浸潤癌

乳がんは通常乳管の内壁に発生します。

初期はそれが大きくなっても乳管内に留まっていますがある時期から乳管の壁を破って乳管の外側に広がってきます。(間質といわれる層に)これがシコリとしてその後増大してきます。このように乳管の外に浸潤した時点で浸潤癌といいます。

逆に乳管内に留まっている場合は非浸潤癌と呼び、当然その方が早期の状態であって治療すれば完全に治ります。転移を起こすこともありません。

非浸潤癌の広がり方 (シコリのない癌)
非浸潤癌の広がり方 (シコリのない癌)

非浸潤癌の広がり方 (シコリのある癌)
非浸潤癌の広がり方 (シコリのある癌)

乳癌の転移

進行癌に入るといつ起こしてもおかしくないのが転移です。転移とは初発の部位とは離れた所に広がることで危険な状況になります。

腋窩(ワキ)のリンパ節、肺、肝臓、骨、脳など全身どこへども行く可能性があります。乳がんが全身病といわれる所以です。

従って転移を起こす前に乳がんを発見することが非常に重要となります。

乳管拡張

超音波検査でよく指摘される所見ですが、乳輪近くで拡がっている場合はさほど問題はありません。

局所的に拡張がある場合はその乳管の中に腫瘍が認められないか又はその周辺に病変がないかを確認することが大事です。

高濃度乳腺( Dence Breast )

マンモグラフィ検査で乳腺は白く映し出されますが、それが広範囲に白く濃く映る場合は腫瘤陰影を見極めることが困難となり、癌の発見が難しくなります。個人差もありますが若い人ほどその傾向があり、この場合は超音波検査も行わないと不十分な乳がん検査となりかねません。

ただ、これは病気ではなく検査としての条件が悪いという意味です。

不均一高濃度

これもマンモグラフィ検査で見受けられるものですが、中高年の世代になると乳腺の白い部分と脂肪になった黒い部分が入り混じってまだらな模様となり、 乳がんのシコリの影との見極めが難しくなります。やはりこの場合も超音波等の他の検査を併用すべき状態です。

構築の乱れ

マンモグラフィや超音波検査で乳腺の画像に部分的にシワや引きつれ、ねじれなどの模様が映し出されることがあります。

これだけですぐに乳がんと診断できない場合もありますが、乳がん発見の手がかりとなる重要な所見です。

局所的非対称性陰影( Focal Asymmetric Density ) FAD

マンモグラフィ検査でわかる所見です。乳がんは左右両側同時にまた 同じ位置に発生することは殆どありません。従って片方にだけ影が映った場合は反対側に同じ影がなければ要注意の所見となります。これは当然左右不対称の影となるわけです。

それですぐに乳がんと診断できない場合は精密検査の対象となるわけです。

この状態を局所的非対称性陰影(FAD)と呼んでいます。

非対称乳房

局所的非対称性陰影(FAD)と似た呼称ですが、これは単に乳房全体の大きさ形が左右不対称のことで必ずしも病気ではありません。視診やマンモグラフィで判明します。

集族性石灰化 (しゅうぞくせいせっかいか)

マンモグラフィ検査で見受けられる石灰化(カルシウムの沈着)の一つです。細かな石灰が一箇所集中的に映る事をいいます。これに石の形状を加味してカテゴリー3から5に分類されます。

ホルモン受容体

その乳がんが女性ホルモンを必要として増殖するタイプの場合は受容体(+)、必要としないタイプであれば受容体(-)といいます。 受容体が(+)の時に限って補助療法としてのホルモン療法が有効となります。

分子標的治療

癌遺伝子HER2(ハーツー)が陽性(過剰発現)乳がんのみ治療の対象となる。

癌の細胞膜を貫通しているHER2蛋白の受容体に治療薬が取り付きその情報伝達経路を阻害することでその増殖を抑える。

トラスツズマブ(ハーセプチン)ラパチニブ(タイケルブ)が代表的な治療薬として使われている。

通常、3週間に一度の割で一年間実施される。

早期乳癌

乳がんの大きさが2cm以下で、リンパ節転移がなく、遠隔転移のない場合をいう。 非浸潤癌やパジェット病も含まれる。

進行乳癌

乳がんの大きさが2cmを超えている場合や、リンパ節も含めて転移がある場合にはどちらか一方だけでも進行癌になる。

副 乳

胎生期のミルクラインの一部が異所性に遺残したものをいう。多くは腋窩(ワキ)にみることが多い。

乳頭部も併存している時は授乳中にそこから乳汁が出ることもある。

極めてまれではあるがそこに乳がんが発生した例もある。


腫瘍マーカー

乳がんでは CEA , CA15-3, NCC-ST-439 が代表的な腫瘍マーカーになります。これらは乳がん検診には殆ど無意味で無駄な検査と思われる。 

手術可能な例では普通数値は上昇していないことが多い。 
乳がんが再発したり、転移をした場合などにその治療効果を診る上でそのモニターとして有用となる。

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