乳がんの基礎知識

乳腺疾患のいろいろ

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乳房の痛み、違和感、吊れ感

当クリニック来院のきっかけとして一番多く見受けられるものです。しかし、実際は良性腫瘍14%、悪性腫瘍(乳癌等)2.1%とわずか 16.1%しか乳腺の疾患は認められるに留まり、残りの約84%は乳腺には病気は認められていない。したがって乳腺の痛みの出現は本人にとって深刻に受け取られがちであるが、病気の症状としてはあまり重要な位置づけにはなっていない。

では何故痛みや違和感、引きつれ感(それも片側だけの外よりから脇にかけての場合が多くもられる)は起こるのか?。殆どの場合が女性ホルモン(特に卵巣ホルモン)のアンバランスが原因で乳腺の血管が充血を起こし、その結果局所的に浮腫(むくみ)となり、痛み等が生じる現象であり、病気ではなく生理的な変化で 一時的な症状の事が多い。 とはいえ一応検査を受け病気にかかっていないか確認することを怠ってはならない。

検査の結果、生理的な痛みだけだと判明すれば通常は治療の必要はないが、強い痛みで耐え難い場合は消炎鎮痛剤を内服して一定の時期痛みを抑えることは特に問題ない。

石灰化の意味

マンモグラフィ検査でCa(カルシウム)の蓄積したものが砂状に点在して映し出されて発見される。自覚症状もなく触知も出来ないため、検査を受けない限り本人にはわからない。

良性石灰化と悪性石灰化に分かれ、石灰化の石のの形、密集度、分布状態で良性と悪性の判別をする。

良性の場合は放置して経過観察で良い。悪性の場合は乳癌となるため手術を初めとする種々の治療が必要となり、この診断が非常に重要となる。鑑別が困難な場合にはマンモトーム等の病理検査が決め手となる。

乳がんと他の乳腺良性疾患との違い
  1. 悪性である乳がんは短期間で増大する。
  2. 大きくなると皮膚や周辺組織に広がる。(浸潤)
    連続的に広がったり、飛び石状にスキップして広がったりする。
  3. 進行癌になるとリンパ性、血行性に転移を起こす。
    良性は決して転移することはない。
    悪性は発見が遅れたり、治療経過が悪いと死に繋がる。
乳腺炎(炎症性乳癌との違い)
  • 乳汁のうっ帯やその部の細菌感染で生じる炎症。
  • 授乳期に起こしやすい
  • 授乳を中止し、搾乳と局所の冷却、抗菌薬、消炎剤の投与。
  • 膿瘍を形成した場合は穿刺吸引を行い、広範囲の場合は切開排膿を行う。
  • 炎症性乳がんは炎症ではありません。
  • 乳がんが進行してリンパ管に浸潤し、それを閉塞することによりリンパがうっ滞した結果局所が赤く腫れ上がってあたかも炎症のように見えるだけで乳腺炎とは全く違って深刻な病態といえます。
乳腺症(mastopathy)通称 MP

「乳腺の増殖性変化と退行変性とが共存する病変」と定義され変化は乳腺の上皮と間質の両成分に起こる。

  • 上皮性変化 → 乳管過形成、小葉過形成
  • 間質性変化 → 線維症、嚢疱、線維腺腫性過形
乳腺線維腺腫(fibroadenoma)通称 FA

代表的な良性腫瘍。比較的若い女性にできやすい。
線維性間質成分と腺上皮成分の両成分が過形成性に増殖する混合性腫瘤。
多くは孤立性で1~2cmのことが多い。
20%の人に多発したり、両側に出来ることもある。

乳腺嚢胞(のうほう)(cyst)  ※嚢胞内腫瘍

乳頭部近くの中心乳管にできる孤立性の良性腫瘍。
多発性のばあいは乳管乳頭腫症と呼ぶ。
乳管がのう胞状に拡張している場合は良性の嚢胞内腫瘍となる。
小さい場合は経過観察で良い。

葉状腫瘍(phyllodes tumor)

全乳腺腫瘍の0.3%から0.5%と少ない。
良性、境界病変、悪性の3種類がある。
小さいときは線維腺腫に酷似している。
3cm以上の大きな無痛性腫瘍として触知され、球状の境界明瞭な形状をしていて、急速に巨大化することがある。
手術後再発し易く、繰り返すと悪性化することもある。
良性と悪性の発生比率は 1対4 ないし 1対5といわれている。

乳頭分泌異常

乳頭部からの分泌物が出る原因は多岐にわたり、乳がんが原因であることは極めて低い頻度である。ほとんどのものが良性病変か生理的な範疇のものである。
時には内服している薬の副作用で起こすこともある。分泌物の原因を突き止める上でいくつかのパターンに分類して鑑別していく。

  1. 分泌物は片側か両側か
  2. 分泌物の液体の色
  3. 自然に出るのか手で圧迫した時のみ出るのか?
  4. 乳汁のような乳白色か否か
  5. 乳頭の中心から分泌しているか否か
  6. 分泌が持続的か、断続的か

これらの症状の有無を組み合わせて原因を絞り込んでいく。
乳がんの原因で分泌が生じる場合は、まず片方の場合で、色は血性か透明、自然に出てきて持続的な分泌の事が多い。
潜血反応、細胞診、CEA濃度測定等の検査を行う。
さらに進んでMRI検査、乳管造影、乳管内視鏡を行う場合もある。

乳瘤(galactocele)

妊娠、から産褥時に閉塞された乳管の部分に乳汁が貯留して嚢胞状に拡張したもので通常の嚢疱の内容が乳汁に場合をいう。
これも悪性とは無関係で大きい場合は穿刺吸引する。

モンドール病(Mondor's disease)

前胸壁と乳房にみられる皮下静脈の血栓性静脈炎
乳腺の手術や乳腺疾患に伴って発症
疼痛は1~2週間、索状物は1~2ヶ月で消退

乳がん、乳腺症、線維腺腫の比較

しこりの見分け方

 

乳がん

乳腺症

線維腺腫

好発年齢

35歳以上

35~45歳

25~35歳

しこり

硬 さ

動 き

境 界

表 面

 

硬 い

動きにくい

多 彩

デコボコ

 

弾性あり

月経前に腫れる

境界不明瞭

先端は多彩


弾性あり

良く動く

境界明瞭

平 滑

痛み

痛みなし

圧痛点あり

痛みなし

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